Ketron™ TX PEEKの事例
大手航空機製造メーカーと連携し、問題のあるナセルスライダートラックメカニズムのソリューションを見つけられるよう支援しました。耐久性の高い自己潤滑性プラスチック部品によって、新しいナセル構成部品では手動による注油が不要になり、必要な点検修理が減りました。
より高機能でメンテナンス要件が軽減されるため、弊社の構成部品は、ナセルスライダートラックで使用する構成部品の新しい業界標準になりました。
業界:航空&防衛
ソリューション:自己潤滑性ナセルスライダートラックの開発
製品:Ketron™ TX PEEK
結果:ナセルの寿命が延び、効率性が向上するため、メンテナンスによる遅延が最小限に抑えられ、必要な修理点検の頻度が減り、コストが大幅に削減されました。
部品の耐久性を高めながら摩擦と摩耗を削減する
既存の金属およびセラミックのナセルスライダートラックメカニズムでは、航空機のブレーキシステムの一部としてナセルが容易にリトラクトとリバーススラストできるように注油が必要です。しかし、時間の経過により潤滑油が減少するため摩擦が大きくなり、部品が元の位置からずれてしまいます。この場合、修理のために航空機は飛行できなくなり、コストと時間を要していました。
新しい材料には、離着陸時の非常に強い圧力、-40°Cから80°Cの長時間の温度変化、さらに埃、化学的流体、その他の環境要素に耐えうる堅牢性が必要でした。
また、新しいナセル構成部品には耐久性と、元のナセル構成部品よりも長寿命化が必要でした。寿命については、航空機自体の寿命(少なくとも20年)以上である必要がありました。
疲労耐性に関する新しい業界標準を作り出す
厳しい摩耗テスト、機械テスト、流動特性と温度耐久性チェックの後に、弊社の耐熱性高機能PEEKであるKetron™ TX PEEKを使用することを提案しました。
軽量で自己潤滑性、疲労耐性があるKetron™ TX PEEKは高い耐クリープ性、低い摩擦係数、耐液体性、低吸湿性も示します。これらすべての特性によって、新しいナセル構成部品は手動による注油が不要で、必要な点検修理が減ります。
より高機能でメンテナンス要件が軽減されるため、弊社が開発したこの構成部品は、他の航空宇宙関連メーカーに於いてもナセルスライダートラックでの使用に採用され、新しい業界標準になりつつあります。
メンテナンスの軽減でコストを削減
高機能熱可塑性材料によってナセルの寿命が延び、効率性が向上して、コストのかかるメンテナンスや遅延が最小限に抑えられ、お客様による点検修理の必要性が軽減されました。耐久性のある自己潤滑性PEEK材料は航空機の寿命の間は存続することが証明され、1回取り付けるだけで済むことから、航空機製造メーカーおよび航空会社はコストを大幅に削減することができました。
- 構成部品を軽量化
- 疲労耐性材料
- 20年を超える寿命が証明済み
- メンテナンスコストを削減
- 摩耗のリスクを軽減
材料の専門知識を活用してコストとCO2排出量を削減する
簡潔なソリューションが必要な複雑な課題。
弊社の専門家が、お客様のニーズを満たすだけでなく、故障のリスクが少なく、メンテナンスの必要性が軽減された、より軽量の航空機を製造できる、自己潤滑性プラスチックソリューションを作成しました。これはさらに、燃料効率の増大とCO2 排出量の削減につながり、より持続可能な航空機の製造に貢献しました。
弊社は航空宇宙産業のイノベーションを促進するニーズと傾向を特定し、理解できるよう取り組んでいます。高機能熱可塑性プラスチックとカーボンファイバー強化テクノロジーのポートフォリオ、および垂直統合型のサプライチェーンとグローバルリーチによって、将来にわたり有効なビジネスを支援します。
また、持続可能かつ拡張可能で費用対効果の高いソリューションを提供し、航空宇宙産業のお客様にとって変化し続ける安全性と効率性の目標に対応できるようにします。