カーボンファイバーを増やしてカーボンフットプリントを削減
カーボンファイバー複合材は未来の材料です。ごく軽量でありながら高い強度や剛性を持つなど、優れた特性で先端の産業用途によく使用されます。
製造装置メーカーや生産メーカーは、その製品で弊社のリサイクルカーボンファイバーのメリットを活用すると同時に、カーボンフットプリントを低く抑え、循環型経済の目標を支援できるようになりました。
業界:あらゆる産業分野
ソリューション:スクラップのカーボンファイバーを回収して熱分解によってリサイクルし、様々な高機能の二次的なカーボンファイバー材料を製造する
製品:CarboNXT™カーボンファイバー材料 - ミルド、チョップド、ファイバーボール、ファイバーチューブ、rCFコンパウンド、不織布、ベール、rCF smc/rCF bmc
結果:バージンカーボンファイバーよりもCO2排出量を最大20~40%削減し、コストを削減
カーボンファイバーの持続可能な供給源を見つける
カーボンファイバー複合材は様々な業界で使用されるようになり、多くの用途における材料として選択されるようになっています。航空機や自動車から構造部品や高機能の完成品まで、多くの製品でカーボンファイバー複合材の強度と軽さが活かされています。
しかしこのようなメリットには大きな代償が伴います。バージンカーボンファイバーは製造工程でのエネルギー要件が高いため、カーボンフットプリントが増大します。このことは、供給された材料のカーボンフットプリントの削減に取り組む企業にとって大きな課題となります。
環境に配慮する企業は、生産スクラップの廃棄やカーボンファイバー複合材製品の寿命末期管理に対する責任も感じています。
リサイクルカーボンファイバーを加える
三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズのCarboNXTは、その独自性によって、100%カスタマイズ可能、純度が高い、リサイクル可能というカーボンファイバーの次の進化を実現します。
製品メーカーや組立メーカーに完全なリサイクル処理(スクラップの収集から新しい高性能の用途に使用される高純度ファイバーの作成までのクローズドループ)を提供します。
弊社は、回収するカーボンファイバースクラップをリサイクルするために、エネルギー効率の良い熱分解処理を使用します。これは酸素を取り除く熱処理で、熱分解ガスの熱による燃焼後分離によって純度の高いカーボンファイバーのリサイクルが可能になります。スクラップ材料からのエネルギーをこの処理の燃料に使用することで、CO2の排出が削減されます。
抽出されたカーボンファイバーから不純物を除くと、次の用途に使用できるようになります。
リサイクルは、バージンカーボンファイバーよりもコストを20~40%削減するだけでなく、新たな可能性も引き出します。
リサイクルカーボンファイバー材料でクローズドループを実現
スクラップから抽出されたリサイクルカーボンファイバーには、新たな目的が与えられます。100%リサイクル材料で製造される高品質のCarboNXT製品に加工でき、お客様の次の用途に使用できます。
- ミルドカーボンファイバー
- 3~100ミリメートルのチョップドカーボンファイバーより糸
- ファイバーボール(粒状カーボンファイバー)
- ファイバーチューブ(高容量カーボンファイバーチューブ)
- rCFコンパウンド(カーボンファイバー強化熱可塑性樹脂)
- 不織布(テキスタイルカーボンファイバーのフリース)
- ベール(カーボンファイバーペーパー)
- rCF smc/rCF bmc(カーボンファイバー強化熱硬化性樹脂成形コンパウンド)
それぞれに革新的なエンジニアリングの可能性があり、様々な用途や業界のニーズを満たします。
弊社のお客様は、自動車、航空宇宙、建設、大規模な公共事業プロジェクト、スポーツ&レジャーなど、あらゆる業界の大手OEMおよびメーカーです。
原材料からスクラップの収集やリサイクルに至るまで、複合材ツールボックスは、幅広い業界および以前は不可能だった用途にわたり、市場をけん引する拡張可能なイノベーションを活性化できるよう支援します。
製造装置メーカーおよびエンジニアと連携し、従来の材料を、費用対効果が高く、将来性のあるカーボンファイバー複合材料で効率的に置き換えるために必要なツールを提供します。
より環境によりやさしい方法でカーボンファイバー需要の増加に対応する
カーボンファイバーリサイクルのフロントランナーであるCarboNXTは、リサイクルカーボンファイバーの回収、抽出、商品化、そして高機能製品の包括的なポートフォリオへの廃棄物の変換を先導しています。
バージンファイバーのメーカー数が限られているため、材料の調達も課題となる場合があります。
生産されたうちの30%を超えるカーボンファイバーがそのライフサイクルのどこかで廃棄物になっています。弊社は廃棄物の材料からファイバーを回収することができるため、継続的な材料の入手可能性に貢献することができます。
バージンファイバーの生産と比較してリサイクルカーボンファイバーは廃棄物を削減するほか、CO2フットプリントを削減します。材料のライフサイクルを延長することによって、気候変動に配慮した循環型の生産に貢献しながら、費用対効果と供給を確保します。
KyronTEX™で製造工程を刷新する
テスト材料からプロトタイプの設計、改良された最終製品まで。
弊社の複合材の専門家がパートナーであるOribiと協力し、KyronTEX™を利用することで生産工程を改良して、より費用対効果が高く、高品質のバイク用ヘルメットを製造できるようにしました。
カーボンファイバープリプレグを使用した拡張性と費用対効果の高い車のボディパネルの開発
排出量と運用コストを削減するための工程の合理化。
弊社の複合材の専門家が大手自動車メーカーに協力し、非常に柔軟なプリプレグを利用して、自動車のボディパネルを製造および塗装する際の運用コストと排出量の削減を実現しました。
リサイクル複合材で航空機に於ける廃棄物を削減
新しい材料と工程が、航空宇宙業界の持続可能な製造を大きく変えています。
弊社はリサイクル可能な材料および複合材技術を用いて、埋め立て処理される航空機からの廃棄物の量を削減するBoeingの取り組みを支援しています。