押出成形品の機械的特性は、樹脂原材料メーカーが公開している値とは異なる場合があります。繊維配向は成形加工による影響を大きく受けるため、最も顕著な違いは強化グレードに現れます。
公開されている樹脂原材料のデータは常に、理想的な条件下で加工された射出成形試験規格サンプルから測定評価されており、異なる樹脂グレードの比較に適しています。現実には、成形部品の実際の特性はゲーティング、部品形状、型穴内の材料フローの影響を受けます。これらが樹脂原材料のデータシート内で公開された値と近くなることはほとんどありません。
三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズの素材製品の機械的特性値は、押出、圧縮成形、注型または射出成形したのちマシニング加工された試験規格サンプルにて測定されます。
生成されるサイズおよび形状は繊維配向および結晶化度に影響し、そのすべてが機械的特性に影響する可能性があります。さらに、樹脂の試験規格サンプルのマシニング加工においては、試験規格サンプルの表面仕上げと、型の表面の研磨仕上げが影響します。たとえば、手作業で研磨された引張試験用規格サンプルのテスト結果は、粗削りの規格サンプルの場合より高くなります。Duratron™ PAIのような硬化材料の場合は、マシニング加工サンプルで硬化表面がないことが、強度および剛性の値に影響する可能性があります。
要するに、ほとんどの強化プラスチックの特性には異方性があるものと見なす必要があります。つまり、強度、剛性、線熱膨張係数などの特定の特性に方向性がある可能性があるということです。機械的特性に示されている数値のほとんどは、40-50 mm(1.5 - 2")の丸棒を使います。それ以外では10-20mm(0.4 - 0.8")の板を使います。それぞれマシニング加工によって作成され、且つ乾燥させた試験サンプルを使用して行われたテストの平均値です。サンプルは押し出し成形の方向に沿って取得されています。示されている値は、仕様の最小値として使用することを意図したものではありません。これらは、材料を比較するためおよびエンジニアリング/設計の検討のために提供されています。